「省エネ診断」を独自に開発。チームで磨いた提案力で、国内外の二酸化炭素削減を促進
高都 晋一
1996年に入社し、エアコンプレッサ事業に従事してきた高都 晋一。現在は省エネ推進グループのリーダーとして、事業の推進、チーム全体のスキル向上に取り組んでいます。独学での省エネ診断解析ソフト開発といった活躍をする高都が、環境対策支援の分野の仕事で大切にしているマインドを紐解きます。
「省エネ診断」を通して現状をビジュアルで提示。お客様の環境対策をサポート

──現在、担当されている仕事について教えてください。
| 所属しているのは、マーケティング・海外本部 マーケティング部 販売企画室 省エネ推進グループという部署です。ここで、お客様の省エネを実現する仕事をしています。 当社は、エアコンプレッサという空気を圧縮する機械の製造販売、サービス提供を行っています。エアコンプレッサは工場でのものづくりに欠かせない機械なのですが、消費電力の大きい機械でもあります。ところが、この消費電力は動かし方によって無駄を減らすことが可能なのです。そこで、どのくらいの無駄が出ているかを計測する「省エネ診断」を実施、その結果から導き出された最適な運転と最適な機種をお客様にご提案しています。 省エネ診断はお客様の方から依頼があることもありますが、機械を入れ替える時期に合わせてこちらからご提供するケースが多いです。自社のみならず他社のコンプレッサも計測できるのが特徴で、診断を通して当社のコンプレッサの省エネ性がより伝わるきっかけを作っています。 |
──省エネ診断をすると、お客様はどんな反応をされますか?
| 皆さんとても喜んでいただいております。というのも、多くのお客様が日頃から省エネに向けて努力されていますが、お客様だけではどの機械がどのくらい電気を使っているのか、どうすれば省エネできるのか、その答えを導き出すことは難しいからです。 省エネ診断は、各支店の営業担当が計測器を持って現場にうかがってデータを回収し、そのデータを解析し、お客様に報告書をお見せしながら最適な運転と最適な機種のご提案をするという流れです。現状と改善後の変化をビジュアルで分かりやすく示すご提案は好評を得ております。 |
──この仕事をする上で大事にしていることは何ですか?
| 大切にしているのは、お客様とのコミュニケーションです。私の仕事は「営業担当が集めてきたデータの解析」なので、本来はお客様のもとに足を運ぶ必要はありません。それでも月に3~4回はお客様を訪問し、直接、対話することを心がけています。お客様は営業担当が行くと「何か営業される」と身構えてしまいますが、営業担当ではない私が行くと、結構心を許して下さり、色々な話をしてくれます。 お客様の悩みはさまざまです。すでに省エネを積極的に推進しているケースもあれば、これからどうやって省エネを進めていけば良いのか、やり方が分からないというケースもありますので、お客様それぞれの状況に合わせて最適なご提案を考えていきます。お客様のニーズは常に変化し、技術も進歩しています。最先端の省エネソリューションを提供し続けることが当社の使命と考えておりますので、絶えず現場の声に耳を傾けながら知識を磨いています。 |
中国での本格的なサービス体制の立ち上げに尽力。ここで学んだことがその後の糧に

──入社してから現在までの、お仕事の変遷を教えてください。
| 1996年にコベルコ建機に入社し、エアコンプレッサのアフターサービスを担当していました。ただ、アフターサービスとはいえ、自分がメンテナンスをするのではなく、サービス工場の担当者が対応し、不具合の原因が分からないときに同行し、調査をするような業務でした。 この部門が翌年、コベルコ建機から独立してコベルコ・コンプレッサが新設されましたので、それに伴い、同社に転籍しました。 |
──2002年から8年間、中国に駐在されたそうですが、ここで経験されたことや学ばれたことはありますか?
| 現地でのミッションは、中国での本格的なサービス体制を作り上げていくことでした。現地スタッフを一から育てていくために、研修プログラムから考えていきました。最初は言語の違い、商慣習や文化の違いなど色々戸惑いましたが、良い経験をさせていただいたと思います。駐在を経て重要だと学んだのは「新しいことへのチャレンジ」、「仲間との連携」、「人材育成」の三つです。 中国での仕事は、日本人スタッフだけでは人数的に対応できないので、現地スタッフを育てて体制を作る必要がありました。特に中国には日系のお客様が多くいらっしゃるので、日本の文化や考え方を現地スタッフに教える必要があったのです。そこに立ちふさがったのが、言語、商習慣、文化の違いという壁です。 相手に何かを求めるには、こちらから相手を知ろうとする姿勢が必要です。そこで、現場へ向かう車の中などで現地スタッフと積極的に会話をして、打ち解けられるようにしました。地道なことを一つひとつコツコツと行ない、サービス体制づくりに関わっていきました。人を育てることと、人と信頼関係でつながることは、とても大切です。この気づきは、帰国した今でも自分のベースになっています。 |
──日本に戻ってから、独学で省エネ診断解析ソフトを開発したそうですね。
| 従来のソフトもあったのですが、解析にかなりの時間がかかっていたので、新しく作ることにしたんです。色々な業務をVBA(Visual Basic for Applications)のプログラムで自動化させていきました。それまで本格的にVBAを学んだ経験はなかったので習得には苦労しました。 それでも「自分でやろう」と決断したのは、解析のやり方が独特だったので、外部の協力会社に依頼することが難しかったからです。加えて、自分の手で作っておけば、将来ニーズの変化があったときに改良しやすいという思惑もありました。 その結果、従来は半日かかっていた解析が、早ければ30分で報告書まで作成できるようになりました。大幅な時間短縮を実現でき、「苦労してでもやった甲斐があった」と手応えを感じましたね。 |
メンバーの技術向上、育成を支援。ポイントは、繰り返し実践してもらうこと

──これまでの仕事で印象的だったエピソードはありますか?
| 最も印象的だったのは、やはり中国での経験ですね。ローカルの工場を訪問させてもらったときは、日本とは雰囲気がまったく違っていて驚きました。 たとえば、機械の調子が悪いので訪問したら、食事の場に呼ばれて、お酒を勧められ、おもてなしされるなんて経験もありました。相手の歓迎の気持ちを損ねないように、仕事に支障が出ない程度にたしなみました(笑)。日本ではこんなことってないじゃないですか。文化の違いを感じられて、本当に面白いなと思いました。 |
──グループ長になったことで、心境の変化はありましたか?
| これまでずっと解析や省エネを提案する業務をメインにしていましたが、リーダーという立場になったことで人材育成に目が向くようになりました。 解析は正確性が命です。なぜなら解析結果によっては、お客様のその後の設備投資の内容や金額が決まるからです。この正確な解析を行えるスタッフを増やしていくことが、リーダーである私の課題だと考えています。 人事異動もある中で育成を行っていくのはかなり難しいのですが、効率よく習得してもらえるように工夫しています。そのために意識しているのは、どんどんチャレンジをしてもらうこと。実践をくり返し、間違えている点を見つけては教えていくという形でトレーニングを進めています。 |
──現在のお仕事でやりがいを感じるのはどんなときですか。
| 大きな省エネ効果を実現できたときですね。お客様から、お礼の言葉をいただくことも多いです。「省エネが実現できたので昇格できました!」というような感謝の言葉をいただいたときには、「誰かの役に立つ、良い仕事ができたな」と思います。 事務業務だけではなくお客様と直接交流できるのがこの仕事の醍醐味です。頑張って成果を出せばお客様の喜びが伝わってくるので飽きることがないですね。 |
カーボンニュートラルの時代に合った、新しい提案を模索中

──今後の目標について教えてください。
| これからカーボンニュートラルの時代に入っていくなかで、お客様の環境意識はますます高まっています。現在提案している省エネの方法をもう一歩深めて、継続してPDCAを回せるような提案がこれから必要なのだろうと思います。 実際、これまではインバーター機の導入が省エネの大きな手段でしたが、市場にかなり浸透してきているので、さらなる省エネ案を提供していく必要があります。AIを使った分析なども視野に発想を広げているところです。 提案のクオリティを高め、将来的には海外でもサービスを展開していければいいですね。海外のエアコンプレッサとなると競合が何十社にも増えるので技術をアップデートする必要がありハードルは高いのですが、どうにかして取り組んでいきたいと考えています。 |
──最後に、どんな方がこの仕事に向いていると思われますか?
| 当社には「どんどんチャレンジしていこう!」という雰囲気があります。私も色々なことに挑戦させてもらいました。挑戦するからには失敗もありますが、その失敗に対して咎められることはありません。安心して、積極的に動くことができます。だから、色々な知識や技術を習得したいという方が向いていると思います。入社の段階では専門スキルはまったく必要ありません。入社後に貪欲に習得していただければ大丈夫です。 それから、人とのコミュニケーションが好きな方も大歓迎です。当社には仲間と連携を取り合い、おたがいをフォローし合う風土があります。みんなで助け合いながら新しいことにチャレンジしたいという方との出会いを、楽しみにしています。 |
※ 記載内容は2023年12月時点のものです
| 【ポイント】 ①「省エネ診断」というエアコンプレッサの無駄な消費電力の測定を行ない、最適な運転や機種を提案することによって、お客様の省エネを実現している。 ②仕事をする上で大切と考えているのは、「新しいことへのチャレンジ」、「仲間との連携」、「人材育成」の三つ。中国でのサービス体制の立ち上げが、この要素を大きく伸ばすきっかけとなった。 ③これからカーボンニュートラルの時代に入っていくなかで、お客様の環境意識はますます高まっている。AI分析なども視野に技術をアップデートすることによって、より一層省エネ提案のクオリティを高めていきたい。 |